これを読めばレジスタンストレーニング(筋トレ)がわかる!

2021年3月2日   投稿者: sawakigym

才木玲佳スクワット

 

レジスタンストレーニングとは、レジスタンス=抵抗を用いた筋肉に刺激を与えるトレーニングで、いわゆる「筋トレ」のことです。抵抗には、自分の体重、ダンベルやバーべルなどの重量物、フィットネスクラブやジムにあるマシンなどがあります。

 

レジスタンストレーニングをやると過剰にムキムキになる、というイメージを持つ人もいるようですが、それはある一部分の効果プラス食事コントロールがうまく行った場合に限りますので、いろいろな効果を探っていきましょう。日常生活を健全に過ごしたり、スポーツができるのは、何より骨格筋のおかげですし、理想の体型を手に入れるためにも、レジスタンストレーニングは不可欠と言えるでしょう。

 

レジスタンストレーニングの効果

レジスタンストレーニングにはどのような効果があるのでしょうか。

 

【レジスタンストレーニング効果】

①神経と筋の協調

②筋持久力の向上

③筋肥大(身体づくり)

④筋力の向上

⑤パワーの向上

⑥基礎代謝の向上(筋肥大効果により)

 

①は動作を覚えるということです。レジスタンストレーニングをはじめて数週間のうちは、筋肉が増えていなくても、最初挙がらなかったウェイトが挙がるようになる、という現象が起こります。これは神経と筋肉が効率良く連携できるようになり(促通といいます)、身体が効率よく使えるようになった証拠です。

 

②は筋肉が一定の時間耐える能力がアップする、ということ。長時間立っていたり、歩いたり、荷物を運び続けることが難なくできるようになります。

 

③はカラダの局所的な筋肉サイズがアップするということ。一般的に使われている「10回×3セット」というのは、この筋肥大効果を狙っているのです。『筋肥大』は運動生理学的な表現上使われるものですが、バルクアップやシェイプアップといった一般的に分かりやすい表現を使うことも多いです。

 

④は、筋肥大とは明らかに別のカテゴリーで、筋肉の出力を高めるということを狙っています(運動単位の動員数を増やす)。分かりやすく言うと、「火事場の馬鹿力」を出しやすくすること。アスリートであれば必要な、筋肉のサイズを大きくしなくても、より大きな力を発揮できるようにするために行います。

 

⑤は、「パワー=力×速度」で表すことができるので、速度を加味したレジスタンストレーニングを行うことによってパワーを向上させることができます。具体的なエクササイズとしては、オリンピックリフティングとして知られるクリーン&ジャークやスナッチ、またはプライオメトリックスが挙げられます。

 

⑥は筋肉量が増えれば理論上基礎代謝が上がります。しかし、いつ上がるかわからない基礎代謝よりも、レジスタントレーニングによる活動代謝が上がっていることに注目すべきでしょう。

 

その他、骨粗鬆症の予防や、関節の強化など、いいことづくめのレジスタンストレーニングです。

 

レジスタンストレーニングの基本動作

レジスタンストレーニングの基本動作は、ストリクト(厳格な、厳密なという意味)という反動を使わないフォームで、丁寧に行います。場合によっては反動によって負荷を持ち上げるチーティング、というテクニックもあります。

 

筋活動には、短縮性筋活動(コンセントリック・ポジティブ)、伸張性筋活動(エキセントリック・ネガディブ)、等尺性筋活動(アイソメトリック)の3種類があり、エクササイズのどの局面が、どの筋活動に当てはまるのかを理解して行うと、効率の良い身体づくりができます。

 

 

◆呼吸・・・短縮性筋活動(A→B)で吐き、伸張性筋活動(B→A)で吸う。

分かり易くいうと、ウェイトを持ち上げるときに吐き、コントロールしながら下ろすときに吸います。ラットプルダウンのように胸郭が関与するエクササイズの場合は逆になることもあります。さらに細かく考えるとスティッキングポイントと呼ばれる最も挙げにくいポイントを越したところで大きく息を吐くと力が入りやすくなります。

 

◆動作・・・短縮性筋活動は2カウント、伸張性筋活動は3カウント、等尺性筋活動は適宜入れる。

例えばラテラルレイズであれば、1,2で持ち上げて、1止めて、1,2、3で下すというような動きで行います。下ろし切ったところでは筋肉が休んでしまうので、脱力せずに所定の回数を繰り返します。

 

レジスタンストレーニングの種類

レジスタンストレーニングを行う方法はいくつかありますので、その種類と特性を探っていきましょう。

自重トレーニング

撮影

自分の体重を負荷として用いる方法で、誰でもどこでも手軽に実施できます。特別な器具を必要としないので、どこでも容易に行うことができます。自重負荷が軽くなってしまった場合は、スロートレーニング法という方法を試してみましょう。これは、通常よりゆっくり動作することによって、主働筋に効率よく筋肉発達のシグナルを送ることができるので、重量が軽くてもきつく感じる方法です。スクワットで試してみましょう。10秒くらいかけてしゃがみ、10秒かけて立ち上がります。5回もやれば十分効きます。

その他、プッシュアップであれば徐々に頭の位置を下げていくとか、スクワットであれば片脚にするような強度アップの方法があります。

フリーウェイトトレーニング

ダンベルやバーベルなどの重量物(ウェイト)を使って行う、マシンのように軌道が決められていないレジスタンストレーニングの方法です。マシントレーニングに比べるとフォームの習得が難しく、正しいフォームで行わないと、傷害のリスクが高まります。工夫次第で様々なエクササイズが可能で、特定の筋から総合的な動作まであらゆるバリエーションが可能です。必要に応じて負荷がしっかりと掛けられるので、レジスタンストレーニング本来の効果が出やすい、といったことが特徴です。

 

フリーウェイトを上手に行うためには重力と仲良くなりましょう。例えばラテラルレイズ(上記写真)は腕を完全に曲げたところで、三角筋の力が抜けるようになっています。腕を完全に下垂しないところ(モーメントアームが0にならないところ)で動作を止め、そこからゆっくりと挙げるように動作をしましょう。

マシントレーニング

フィットネスクラブでおなじみの、レジスタンストレーニングを行うために人間工学を駆使して設計された専用マシンです。ウェイトの動く方向が限定されているので、動作の習得が比較的簡単です。細かい重量設定が可能ですので、様々な体力レベルの人に対応できるという特徴があります。しかしながらマシンもフォームが大切です。軌道が決まっているといっても適当に動作してよいわけではありません。はじめてのマシンをやるときは、重さよりも、フォームを重視して、15~25回反復し、動作を覚えることから始めましょう。そして、そっと音を立てずに負荷を置くことを覚えましょう。

チューブ(ラバーバンド)トレーニング

2021年2月のパーソナルトレーニング風景02

チューブの張力を負荷として使用するトレーニングの形態です。引っ張れば引っ張っただけ抵抗が強くなります(終動負荷)。フリーウェイトでは鍛えるのが困難なインナーマッスルも手軽に鍛えることができます。チューブは安全で安価なトレーニング器具ですが、チューブの伸び加減によって負荷が変わるので、最後に負荷が掛かりすぎるのに注意をはらう必要があります。力み過ぎは血圧の上昇につながります。チューブトレーニングのポイントはチューブを掛ける方向を考慮することです。工夫しだいで様々なエクササイズが可能になります。チューブは負荷が掛かる方向の逆方向に力を発揮しなければなりません。

さまざまなフィットネス器具

バランスボール、フォームローラー、フレックスクッション(↑写真下)、ロープ、ViPR(↑写真上)、TRX、メディシンボールなど、様々なトレーニングツールがあります。

 

目的に応じたプログラム変数の設定方法

レジスタンストレーニングの強度は、重量設定や動作のスピード、セット間の休息時間で決まります。自分の体重を使う場合と、ウェイトを使って行う場合の2つのパターンをご紹介します。

自分の体重を使って行う場合

A フォームの習得

無理のない回数で行う。目安は10回。スクワットのような脚の運動は体重がかかるため、慣れるまでは少ない回数を数セット行うようにします。

例)5回×5セット、休息時間30~60秒。

 

B 身体づくり(筋肥大)

持ち上げる動作(コンセントリック)を2カウント、コントロールしながら下ろす動作(エキセントリック)を3カウントが基本です。強度を高めるためには次の3つの方法があります。

①回数を増やす・・・正しいフォームでできる限り、回数を増やしていけばそれだけ運動強度が高くなります。

②ゆっくりと行う・・・通常のカウントよりも多く時間をかけて行うスロートレーニング法(例えば10秒で持ち上げ、10秒で下ろす) を用いると、すぐに乳酸がたまりたくさんの回数ができなくなりますが、身体づくり(筋肥大)については有効なトレーニング方法となります。

③重力を考える・・・例えば、プッシュアップは壁に向かって行えば強度が低く、テーブルに向かい、床とだんだん強度が高くなっていきます。脚を台などに乗せると更にレベルアップできます。

 

C 神経系の強調

両脚をついて行っていたエクササイズを片脚で行う、安定したで行っていたものを不安定な状態で行うなど、身体に対する刺激を変化させてあげることで運動強度を高めることができます。一般的には、単純→複雑、両脚立ち→片脚立ち、安定面→不安定面、というように変化をつける方法があります。

ウェイトを使って行う場合

A フォームの習得

初心者が正しいフォームの習得をするためには、30回以上反復できるような軽い負荷(50%1RM)で、15回~25回、ゆっくりと反復します。これを30秒ほどの休息時間を挟んで1~2セット行います。「軽すぎる」と感じるかも知れませんが、レジスタンストレーニングはフォームありきです。この段階をおろそかにし、間違ったフォームを覚えてしまうと、修正には相当時間がかかると思ってください。

 

B 筋持久力向上

動作を一定時間続けたり、姿勢を維持するような筋肉の能力を筋持久力といいます。12~20回反復できるような負荷で、12~20回、30~45秒ほどの休息時間を挟んで2~3セット行います。このカテゴリーは、Cの筋肥大効果もあります。

 

C 筋肥大(身体づくり)

身体のサイズを変えたり(シェイプアップ、ボディメイク)、基礎代謝の向上を目的とするときは、軽めの負荷でウォームアップをしたあと8~12RMの負荷を使って、8~12回反復します。休息時間は、60~90秒、セット数は3~6。一般的に健康づくりやボディメイクで処方されるプログラムのほとんどは、この「筋肥大(身体づくり)」か、「筋持久力向上」のゾーンに当てはまっているようです。

休息時間に話し込んでしまう人にオススメなのがキッチンタイマー。適切な休憩時間を教えてくれます。

 

D 筋力向上

筋力向上とは、筋肉のサイズを増やすのではなく、挙上重量を上げて、筋肉の質を向上させることを指します。軽めの負荷でウォームアップをしたあと1~8RMの負荷を使って、1~5回程度反復します。休息時間は、2~4分、2~3セット行ないます。必ずしも限界までやり切る必要はなく少しの余裕を持って終えるようにしても良いでしょう。休息時間が長いのが特徴で、筋肉中に含まれるエネルギーの源であるATPを十分に回復させる意味があります。

 

E パワー向上

パワーは、力×速度で表すことができ、大まかに高速パワーと低速パワーに分けられることができます。高速パワーはテニスのように軽いラケットを高速で振り回す動きで、低速パワーは相撲やラグビーでの膠着状態のイメージです。パワー向上は、目的に応じてプログラム変数を設定しなければなりませんので、ここでは具体的な数字は挙げずにおきます。

 

プログラム作成方法

レジスタンストレーニングの効果を得るためには、ただがむしゃらにやるのではなく、計画的に行うことが大切です。特定の部位をしっかりとトレーニングした時は、筋肉には疲労が残り、微細な損傷を起こしています。このようなときは一般に48~72時間の休息をとり、栄養補給や十分な睡眠を取ることでをより良く成長します。

これからいくつかのトレーニングプログラムの作成方法をご紹介いたします。

セット法

ストレートセット法、シングルセット法ともいいます。1種目につき数セット行い、次の種目に移行するという最もベーシックな方法。この方法の場合、週に1回であれば月・水・金、週2回であれば月・木のように等間隔を空けて実施すると良いでしょう。

例)

①自重スクワット 30回 × 3セット

②レッグレイズ(腹筋) 20回 × 3セット

④ダンベルショルダープレス 20回 × 3セット

⑤ルーマニアンデッドリフト 20回 × 3セット

⑥クランチ 20回 × 3セット

*各種目におけるセット間の休息時間は45~60秒。種目間の休息時間は2~3分。

スプリット法

プログラムを2つに分割し、交互に行う方法です。この方法はたくさんの種目を行う場合や、より効果を出したい人のためのアドバンスなプログラム作成テクニックです。

毎日トレーニングしたとしても同じ部位が連続して行われることがないのでオーバートレーニングのリスクを回避して筋肉を成長させることができるので、目標達成への近道ともいえます。

例)

Aプログラム(下半身)

①スクワット 20回 × 3セット

②ニーアップ 20回 × 3セット

③ルーマニアンデッドリフト 20回 × 3セット

④カーフレイズ 20回 × 3セット

 

Bプログラム(上半身)

①プッシュアップ 20回 × 3セット

②ワンアームダンベルロウ 20回 × 3セット

③フレンチプレス 20回 × 3セット

④クランチ 20回 × 3セット

*各種目におけるセット間の休息時間は45~60秒。種目間は2~3分。

*AとBを交互に行う。

*このような2分割の他、3~5分割といった分け方もある。

*トレーニング頻度が1週間開いてしまう場合は、スプリット法にせず、全身に刺激が入るセット法で行うと良い。

サーキット法

各種目を1セットずつ、休息をいれずに順番に行う方法です。一般的に上半身と下半身を交互に配列します。休息時間がないので心拍数が高い状態がキープでき、心肺機能の向上も期待できます。時間のない人にお勧めの方法でもあります。

例)

①スクワット 20回

②ダンベルショルダープレス 20回

③ニーアップ 20回

⑤ダンベルアームカール 20回

⑥ルーマニアンデッドリフト 20回

⑦プッシュアップ 20回

⑧カーフレイズ 20回

⑨プローンラットプルダウン 20回

⑩クランチ 20回

*①~⑩を休息を入れずに2~3セット連続で繰り返します。または⑩まで終わったら1分程度休んで次のセットを行います。

 

まとめ

レジスタンストレーニングで効果を出すためには、運動生理学に基づいた基本をマスターすることです。自己流では効果が出にくいばかりか怪我をしてしまうこともありますので、この記事が参考になりましたら幸いです。また、パーソナルトレーナーはいつでもみなさんをお待ちしていますので、このような基本を押さえた上で、個別性を考慮したプログラムを組み、最適なテクニックをご案内させていただきます。



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